エンターテイメントに関わるビザについて
エンターテイメントに関わるビザとしては「興行ビザ」というという区分のビザが有名です。芸能人ビザとも呼ばれ、歌手、俳優、女優、モデル、ミュージシャン、ダンサー、シンガー、音楽家、格闘家、タレント、プロスポーツ選手、演奏者等がコンサート、TV出演、試合出場、舞台出演等、日本で仕事を行う際に取得する在留資格です。
近年、興行ビザを取得した外国人の不法就労や不法残留が多発したため(興行ビザで入国したにも関わらずパブやバーのホステスをさせられたり、売春を強要されるなど)、平成18年6月1日興行ビザに関する基準省令が改正され、取得基準が厳格化されました。現在では、非常に厳しく審査される在留資格の一つとなっています。
野外イベントを企画して、大勢のアーティストを招聘したい、外国人のモデルを呼んで新商品プロモーションをしたい、海外のプロスポーツ選手を呼び寄せたいなどのとき、短期間で確実に招聘したいご担当者の皆様、一度当事務所へご相談ください。
当事務所に依頼するメリット
その1.入国管理局への出頭は基本的に不要です。当事務所は、申請取次行政書士事務所です。お客様に代わり入国管理局への申請を行いますので、基本的には入国管理局に直接出頭し、長時間お待ちになる必要はありません。 (現在、入国管理局は大変混雑しており、半日以上待つこともあります。)審査官より事情説明が求められた場合には、お客様に代わって交渉し、追加書類の提出が指示された場合にも、お客様にご説明した上で迅速に提出できるよう心がけております。
その2.早く確実に許可が取れるようサポートします。
下記のように、同じ興行ビザでもどの分類での申請になるかで要件も必要書類も大きく変わってきます。また、入国管理局の審査は裁量による部分も多く、入管審査官の求める書類が何かを見極める必要があります。間違った分類を適用したり、書類に不備があったために興行に間に合わなくなってしまわないために、専門家にご相談ください。
その3.在留資格認定証明書交付後もサポートします。
入国管理局への在留資格認定証明書交付申請から、交付後のビザ取得及び日本入国・滞在までの一連の流れのサポートを致します。
興行ビザの種類
ビザの在留期間は「15日」「3か月」「6か月」「1年」「3年」があり、その資格は次の4つに分かれています。
☆1 外国人の方が,演劇,演芸,歌謡,舞踊又は演奏の興行に係る活動を行おうとする場合
具体的にはクラブ、バーでの興行等。大変許可が厳しくなっています。
☆2 外国人の方が,次の(1)~(5)のいずれかの活動を希望する場合
(1)国,地方公共団体の機関又は特殊法人が主催するものや学校や専修学校などでの演劇等の興行に係る活動(NHKなどが主催するもの、大学の学園祭で招へいするものなど)
(2)文化交流を目的として国,地方公共団体の機関又は特殊法人が主催する興行に従事しようとする場合。
(3)観光客を招致するために常時行っている敷地面積10万m2以上の施設での興行(テーマパークなど)
(4)100人以上収容できる劇場やコンサートホールで客席において、飲食物を有償で提供したり、客の接待をしない施設での興行等(ただし、客席部分と区分されたロビーなどでの自動販売機や売店での飲食物の提供においては、客がこれらで購入した飲食物を自ら客席に持ち込んで飲食しても、客席において飲食物を提供することには当たらない)たとえ公演時に飲食の提供をしなくても、一体となった施設ではこちらの要件に当てはまりません。
(5)報酬の額(団体で行う場合は,当該団体が受ける総額)が1日につき50万円以上であり,かつ,15日を超えない期間の興行(1つのイベントで複数団体が出演する場合、それぞれにつき、50万以上が必要。)
☆3 申請人が演劇等の興行に係る活動以外の興行に係る活動に従事しようとする場合
例:プロスポーツ選手やコーチ、サーカス等
☆4 申請人が興行に係る活動以外の芸能活動に従事しようとする場合。
例:商品の宣伝、テレビ・映画出演、雑誌の撮影、レコーディング等(CM出演やライセンス料と来日しての宣伝活動が一体となった契約でも報酬が発生するとみなされて、興行ビザの対象になります。)
申請の流れ
興行ビザ取得に当たっては、まず、上記のどの基準に当たるのかを判断しなくてはなりません。日本での出演予定先や興行内容などによって、適用する許可基準を判断して申請準備をすることとなります。
☆1にあたる場合、経歴、招聘先との契約、契約機関の職員、施設等の多くの要件があり、☆2~☆4と比較して厳格な要件があります。これは不法就労、不法滞在の温床になっているという批判があったという理由のほか、興行がクラブ、バー等風俗営業法規制に該当する施設で行われる場合を含むためです。
演劇などの興行でも☆2にあたる場合、公的性格、規模の大きさなどから☆1ほどの厳格な要件を必要としません。☆2の中の(1)~(5)のどれに当てはめるかで、必要な要件も変わってきます。詳しくはご相談ください。
☆3(プロスポーツ等)、☆4(興行以外の芸能活動)は、日本人と同等額以上の報酬を受けて従事することという要件以外はありません。
コンサート開催時にプロモーションも行う場合、☆2と☆4両方の基準に該当しているか確認し、必要書類も両方で必要とされる書類を準備する場合があります。
●来日までの一般的な流れ
日本での興行概要決定
↓
入国管理局へ書類を揃えて、在留資格認定証明書交付申請
*必要に応じて、入国管理局との事前折衝。
↓ 約数週間~2か月
入国管理局より、在留資格認定証明書交付
↓
申請人に在留資格認定証明書送付
↓
現地の大使館または領事館での興行ビザ申請・発給
↓ 約1週間
在留資格認定証明書とビザを所持して、日本入国
↓
興行開催
↓
帰国
興行ビザ申請の注意点
興行ビザの申請をする際に、特に気をつけなければいけないのは、申請の時点でスケジュールが決まっているため、それに間に合うように書類準備、在留資格認定証明書の入国管理局への申請を行い、証明書が交付されたら申請人に送付、現地大使館・領事館でビザ申請、発給を受けてから入国という手続きを期間内に行わなければならないことです。
この一連の流れのどこかでつまづいてしまい、公演に間に合わないようなことがあれば大変です。そのため、資格・要件ではっきりしない点があれば、事前に入国管理局と折衝を行い、どの資格に該当するか、どの分類で申請するか、必要書類は何かといったことを確認します。現在、入国管理局は大変混雑しており、早め早めの対応が大変重要となります。
興行ビザを取得するための要件
◆(☆1の場合)*キャバレーなどの場合
【申請人の要件】
1.外国の教育機関において当該興行の活動に係る科目を2年以上の期間専攻したこと
2.2年以上の外国における経験を有すること
【招へい機関の要件】
1.外国人の興行に係る業務について通算して3年以上の経験を有する経営者または管理者がいること
2.5名以上の職員を常勤で雇用していること
3.当該機関の経営者又は常勤の職員が次のいずれにも該当しないこと
◦人身取引等を行い、唆し、またはこれを助けた者
◦過去5年間に、法第73条の2第1項第1号もしくは第2号の行為、または同項第3号のあっせん行為を行った者
◦過去5年間に、当該機関の事業活動に関して、外国人に不正に法第3章第1節もしくは第2節の規定による証明書の交付、上陸許可の証印もしくは許可、同章第 4節の規定による上陸の許可、または法第4章第1節もしくは法第5章第3節の規定による許可を受けさせる目的で、文書もしくは図画を偽造し、もしくは変造 し、虚偽の文書もしくは図画を作成し、または虚偽もしくは変造された文書もしくは図画もしくは虚偽の文書もしくは図画を行使し、所持し、譲渡し、貸与し、 もしくはその譲渡もしくは貸与のあっせんをした者
◦法律第74条から第74条の8までの罪、または売春防止法第6条から第13条までの罪により刑に処され、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
◦暴力団員による不正な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
4.興行契約において、月額20万円以上の報酬を支払う義務を負うことが明示されていることを内容とする契約を締結し、かつ、過去3年間に締結した興行契約に基づいて興行の在留資格をもって在留する外国人に対して支払義務を負う報酬の全額を支払っていること
ただし、主として外国の民族料理を提供する飲食店を運営する機関との契約に基づき、月額20万円以上の報酬を得て、飲食店で外国の民族音楽に関する歌謡、舞踊又は演奏の活動に従事するときは、招へい機関との契約は必要ではありません。
【出演施設の要件】
1.不特定かつ多数の客を対象として、外国人の興行を行う施設であること
2.風営法第2条第1項第1号または第2号に規定する営業を営む施設である場合は、次にあげるいずれの要件にも適合していること
◦専ら客の接待に従事する従業員が5名以上いること
◦興行に係る活動に従事する興行の在留資格を持って在留する者が、客の接待に従事するおそれがないと認められること
3.13㎡以上の舞台があること
4.9㎡(出演者が5名を超える場合は、9㎡に5名を超える人数1名につき1.6㎡を加えた面積)以上の出演者用の控室があること
5.当該施設の従業員の数が5名以上であること
6.当該施設を運営する機関の経営者、または当該施設に係る業務に従事する常勤の職員が、次のいずれにも該当しないこと
◦人身取引等を行い、唆し、またはこれを助けた者
◦過去5年間に、法第73条の2第1項第1号もしくは第2号の行為、または同項第3号のあっせん行為を行った者
◦過去5年間に、当該機関の事業活動に関して、外国人に不正に法第3章第1節もしくは第2節の規定による証明書の交付、上陸許可の証印もしくは許可、同章第4節の規定による上陸の許可、または法第4章第1節もしくは法第5章第3節の規定による許可を受けさせる目的で、文書もしくは図画を偽造し、もしくは変造し、虚偽の文書もしくは図画を作成し、または虚偽もしくは変造された文書もしくは図画もしくは虚偽の文書もしくは図画を行使し、所持し、譲渡し、貸与し、 もしくはその譲渡もしくは貸与のあっせんをした者
◦法律第74条から第74条の8までの罪、または売春防止法第6条から第13条までの罪により刑に処され、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
◦暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
必要書類
(☆1の場合)
1 在留資格認定証明書交付申請書
2 写真(縦4cm×横3cm)
3 返信用封筒
4 申請人の経歴書及び活動に係る経歴を証する文書
5 契約機関に係る次の資料
(1 ) 登記事項証明書
(2 ) 直近の決算書(損益計算書,貸借対照表など)の写し
(3 ) その他契約機関の概要を明らかにする資料
6 興行を行う施設の概要を明らかにする資料
(1 ) 営業許可書の写し
(2 ) 施設の図面(間取りなどが記載されているもの)
(3 ) 施設の写真(客席,控室,外観など)
7 興行に係る契約書の写
※上記資料には,興行契約書のほか,契約機関と出演施設を運営する機関との出演に関する契約書等も含む。
8 申請人の日本での具体的な活動の内容,期間,地位及び報酬を証する文書
9 興行契約に基づいて演劇等の興行に係る活動を行おうとするときは,次に掲げる資料
(1 ) 契約機関の経営者(又は管理者)及び常勤の職員の名簿
(2 ) 契約機関の経営者(又は管理者)が興行に係る業務を通算して3年以上経験していることを証する資料
(3 ) 申立書(契約機関の経営者及び常勤の職員が入管法第7条第1項第2号の基準を定める省令の「興行」の項の下欄第1号ロ(3)に掲げる者のいずれにも該当していないことを申し立てる文書)
(4 ) 契約機関が過去3年間に締結した興行契約に基づいて興行の在留資格をもって在留する外国人に対して支払義務を負う報酬の全額を支払っていることを証する次のいずれかの文書
a. 興行契約に係る契約書の写し
b. 上記外国人が報酬を受けたことを証する領収書,銀行口座への振込記録(写し)
c. 給与台帳等報酬を支払ったことを証する会計帳票(写し)
d. 非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書(納付書)等の納税関係書類
e. 決算書及び法人税申告書(写し)
10 出演施設を運営する機関の次に掲げる資料
(1 ) 登記事項証明書
(2 ) 直近の決算書(損益計算書,貸借対照表など)の写し
(3 ) その他運営機関の概要を明らかにする資料
(4 ) 運営機関の経営者及び出演施設に係る業務に従事する常勤の職員の名簿
(5 ) 申立書(運営機関の経営者及び常勤の職員が入管法第7条第1項第2号の基準を定める省令の「興行」の項の下欄第1号ハ(6)に掲げる者のいずれにも該当していないことを申し立てる文書)
11 その他参考となる資料
滞在日程表・公演日程表・公演内容を知らせる広告・チラシ等
12 身分を証する文書(会社の身分証明書等)
13 招聘理由書
本人の理由書、入管専門家の指導方針等を記載する。